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2022.01.01 ご挨拶

【年頭所感】重藤さわ子

2021年は、我が国でも2050年までの脱炭素目標を宣言(2020年10月に)した直後で、政策面で「地域脱炭素」を巡る動きが、より一層にぎやかになってきた年でした。それを一時的な機運に終わらせないために地域に本当に必要な情報をわかりやすく届けたい、とRISESとしても、自治体・地域関係者も多く購読されている月刊事業構想で、地域脱炭素に焦点を絞った「持続可能な地域とビジネスの道筋」という連載を行うことができました。この連載が目指したのは、地域の目線に立ち、地域脱炭素とは地域においてどういう意味を持つのか、どう向き合えばよいのか、既に長くこの問題に取り組んできた関係者の試行錯誤のなかでわかっている様々な課題に対し、具体的な道筋を示す、ということでした。ご関係者のご尽力のおかげもあり、課題の核心を突き、今後の方向性を示す連載になったのではないかと思います。
 地域づくり政策としては、地域脱炭素と地域経済循環を重視する方向性はかなり決定的なものになったと言えます。10年以上この課題に取り組んできた立場としては、やっとここまできたか、という万感の思いはあります。しかし日本では、まだまだ「地球」や「世界」、「世代間格差」への意識が低いことは気になります。20年以上前に友人を訪ねてドイツ・ベルリンを訪れたとき、環境のために、と皆当たり前に買い物ではマイバックを持ち、デポジット制で飲み物の瓶をスーパーに返しに行っていました。私が同時期のイギリス留学中に読んでいた、若い女性向けファッション雑誌には、必ずエシカル消費、途上国等とのフェアトレード、人権問題が特集で組まれていました。日本でも若い人を中心にかなり意識は変わってきたと思いますが、いまだに国際的に見て時代錯誤な発言を繰り返す人物が政財界に重用されている現状にはかなり違和感があります。
 2022年には、そのような日本のおかしな現状にもメスを入れられる活動ができたらと思います。そして、何よりも、地域で脱炭素に取り組む方々に、本当に必要な情報や支援が届けられるような活動に引き続き取り組んでまいります。