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2023.01.27 ご挨拶

【2023年・年頭所感】乾正博

 昨年(2022年)の年頭所感に、ロシアの天然ガスの課題を指摘していた。その後、そのロシアによるウクライナ侵攻となり、エネルギー事情は、一変した。エネルギーは、食とともに、我々の生存に直結している。しかし、日本は、多くを外国に依存している。為替の影響もある。生存までいかなくとも生活に即影響が出る。しかし、福島原発の事故や再生可能エネルギーの固定価格買取制度から10年以上が経っているが大きく依存度が下がっているわけではない。10年という年月は、当然短くない。同様の再エネ法案は、ドイツより12年遅れの後発であればなおさらスタートダッシュは重要であった。
 ドイツ宰相ビスマルクの言葉から考えれば、日本は、日本の歴史から学ばなければならない。1万年以上続く島国特有の持続的な風習や仕組み、循環的社会を形成してきた江戸時代や化石燃料を活用し近代化に成功したが戦争に至った経緯など、次の国づくりをするうえで学ぶ必要がある。一部の世代で、国づくりをすることは、経験即に頼ってしまう場合が多いだろう。その世代とは、権力を持つ世代であり多くは、40代から60代であろう。その社会構造に課題があると言える。より良い社会創りをするには、その世代の経験則的なものでなく、歴史と未来予想に基づき、エネルギーの今ある技術と新技術を分けて具体的な地域やプランを明確にし、国民に浸透させなければならない。エネルギー政策は、強いメッセージが必要と言える。今年もエネルギー高騰が続く、それは、変化するうえでは好機である。